小指の先の天使

2006年6月28日 読書
人間の意識と神についての物語が、現実と仮想のあいだを往還する―。1981年の初期作品「抱いて熱く」から書き下ろし最新作「意識は蒸発する」まで20年間の思索をそそぎこんだ神林長平の原点にして到達点。


SF小説界の大御所にも関わらず今までほとんど知らなかった神林長平。お目当ての『敵は海賊』が無かったので、タイトルで選んでみました。

仮想の世界でも外側にある現実の世界にさえ気付かなければ、それはあくまで本物の同じではないか?とか、現実を知ることが果たして本当に幸せなのか?とか、いろいろ考え出すと訳分からなくなってしまいます。このジャンルはど素人なもので・・・。

それでも物語に登場する人々のドラマはそれなりに受け止めることができたような気もします。

外の世界とコンタクトの出来る老人と、彼の飼い猫の物語「猫の棲みか」はやられました。ただでさえ老人と動物ものって弱いんですが、「死」に対する折り合いのつけ方はかなり好きですね。素で泣きました。

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