夢のなかの騎士

2006年8月16日 読書
古文書の専門家グレースの夫と兄が殺された。犯人は、目下彼女が翻訳中の14世紀の古文書を狙う考古学財団の理事長。いったい古文書にどんな秘密が?耐えがたい悲しみと怒りを胸に理事長たちの追跡を逃れつつ、彼女はやがて知る―彼らに復讐するためには、古文書に登場する勇猛な黒髪の戦士ナイルと会わなければならないことを!現代と中世を結ぶ流麗なロマンティック・サスペンス。


リンダ・ハワードという人はロマンス小説の大家だそうです。正直言ってロマンス小説なんて、どれも同じようなもんだろうと思ってました。ヒロインの女性がタイムスリップするという設定からして眉唾ものだなぁ・・・とも。

読後は「主役の性別を入れ替えたら、ストーリー重視の18禁ノベルスゲームになるな」という感想を持ちました。

一番の見所はヒロインの逃亡劇の場面でした。ただの学者肌の主婦が機転を利かせて敵の目をかいくぐり、古文書の謎にたどり着くまでの一連のシーンはエンターテイメントとして、かなりいい線いっていると思います。ハードボイルドでかっこいい女性でした。
ちょっとラストの方では古文書や騎士ナイルの持つ使命についての謎がはっきりしないまま終わり、消化不良な感もあったのですが。

そしてそして、18禁ゲームと評した所からも分かるように、中世
でヒロインがヒーローと出逢ってからは結構な量の濡れ場がありました。
ストーリー重視のその手のゲーム同様、「別に無くてもいいんじゃない?」と思いましたが、18禁ゲームにしてもロマンス小説にしても、それがお約束というものなのでしょう。

コメント