祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質な結界。だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にして―。生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。
この人独特の淡々とした文章は健在です。日常に存在する不思議。それが何か理解できないけれど、そういうものとして、ありのまま受け入れられている。この世界観、いいですね。
この本は4人の女性が主役ですが、男性が主役の作品の方が私は好きかも。
私は「ものを作る」ということに憧れを持っているせいか、草木染めや機織りをしていく彼女たちに羨望のまなざしをおくってしまいます。
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