ぐっとくる題名

2006年10月26日 読書
『ゲゲゲの鬼太郎』が、文法的に正しい『ゲゲゲな鬼太郎』だったら、ここまで印象に残ったか?(助詞の使い方)『課長島耕作』の安定に比べ『取締役島耕作』の落着かなさは、「音」に理由がある!(韻とリズム)ツァラトストラが「こう言った」ではなく、「かく語りき」だったからこその豊かさとは?(古めかしい言い方で)『部屋とYシャツと私』で意図的に隠されている事柄とは?(言葉と言葉の距離)等々、著者が「ぐっときた」55の名タイトルを例に、心に残る理由を考察する。第3章には、本名の長嶋有名義の作品のタイトル付けに関する裏話も収録。

この本を読んだとて、すぐに自分もぐっとくる題名をつけられるかというとそうでもありません。が、やっぱりセンスのいい題名とそうでない題名というのは確かに存在します。それを見分ける勘のはたらかせ方の参考にはなると思います。

そうはいってもこの人の文章は軽妙で親しみを覚えました。
もしも萩尾望都の『11人いる!』がサッカーマンガだったら・・・って、それでいいじゃんか、みたいな。

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