鯰絵をみしこと

2006年11月1日 趣味
市立博物館にて「安政の大地震と水戸藩」という展覧会を見てきました。水戸藩士にして尊皇攘夷思想の推進者である藤田東湖や、9代水戸藩当主の徳川斉昭についての展示をまず最初に見ました。
徳川斉昭というのは水戸市ではどうやらかなりメジャーなようですね(ずーっと徳川慶喜の父親というイメージしかなかったので)。

そして第2展示は地震直後に大流行した鯰絵がずらり。そもそも鯰絵というのは、鹿嶋大明神によって要石の下に封じられていた大鯰が大明神の留守をいいことに大地震を引き起こしたのだという当時の迷信をもとに作られた浮世絵の一種です。

一口に鯰絵といっても多種多様です。この地震によって職を失った遊女や町人が人型の鯰をぼこぼこにしている絵や、地震によって儲けた大工、葬儀屋と財産を失った金持ちの対比絵、そして地震を起こしたことを鹿嶋大明神に謝罪し、切腹する鯰たち等々。

一万人以上の死人が出たとされる地震でさえ、笑い飛ばす江戸の人々のしたたかさに感心しました。もちろんその裏には笑いだけではない様々な感情が渦巻いていることは確かでしょうが。

現代で同じことをしたら非難ごうごうに決まってますよね。もちろん当時も、わずか二ヶ月でお上から発禁処分を食らいました。しかし、その種類は約二千点、粋です江戸市民。

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