まずは、あらすじ(うーん、難しい)
舞台は科学が爆発的に発展した未来。戦場で自分の仲間を爆撃し、廃人寸前になりかけた男ボイルド。彼は科学技術によって超人的な能力を手に入れた。
また彼の魂を絶望から救ったのが、言葉を話すネズミ・ウフコック。人口衛星4個分の予算を投じて生み出された、そのネズミは何にでも姿を変えることから「万能武器」と呼ばれた。
―物語は戦争が終結を向かえ、政府がボイルドら特殊な能力をもった兵士達を廃棄処分にするために、彼らのいる研究所を攻撃するところから始まる。

この後、研究所の最高責任者「三博士」と呼ばれる科学者の一人に導かれ、ボイルドとウフコック、そして彼の仲間達は自分の能力を生かして巨大な裏社会と対峙していきます。

「あんたの恐怖を取り除くことが俺達の存在意義だ」

みたいなカッコイイ台詞が出てくるわけです。おお、ハードボイルド。
過去に戦場で致命傷を負い、研究所行きとなった仲間とのやりとりもいいです。ところどころに見える過去のキズがなんとも・・・。

しかし、一番ステキなのは老若男女関係なくみんなをメロメロにしてしまうネズミのウフコックでしょう。可愛いくせにいい男なのです。

本作は03年に刊行された『マルドゥック・スクランブル』という小説の過去に位置するトーリーです。『スクランブル』ではボイルドとウフコックは敵として対峙しています。
未来がわかっている分、無二のパートナーぶりを発揮しているのは微笑ましいと同時になんだか悲しいです。黄金時代っていうんですか、こういうの?

ともあれ、三週連続刊行という読者には嬉しい企画なので来週の水曜日が楽しみですな。

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