マルドゥック・ヴェロシティ 3
2006年11月24日 読書灼熱の暗黒、失墜する魂
殺戮の果て、男の虚無への軌跡は終極に至る
ギャングの世代間抗争に端を発した拷問殺人の背後には、闇の軍属カトル・カールの存在があった。ボイルドらの熾烈な戦いと捜査により保護拘束されたナタリアの証言が明らかにしたのは、労組対立を利用して権力拡大を狙うオクトーバー一族の影だった。ついに牙を剥いた都市システムにより、一人また一人と命を落としていく09メンバーたち。そしてボイルドもまた、大いなる虚無へと加速しつつあった--暗黒と失墜の完結篇
発売二日後にならないと売ってないなんて・・・コレだから田舎は(以下略)。もちろん即日読了致しました。
作品の始めの方から主人公のボイルドはかつて自分が犯した友軍への爆撃による殺戮行為に、どうしようもないほどの恍惚を自覚していた節がありました。最後はそれに引きずられてしまうのかな?と予測していたのですが、それ以上に辛い形で相棒のウフコックと決別することに。
彼が失ってしまった物と失わなかった物、そして守れなかった物と最後まで守り抜いた物。それらを思うと非常にやりきれないものが残ります。また、彼が何故そのような行動をとったかを彼の仲間は永遠に知ることが無いわけです。それが口惜しくもあり、どうしようもないなぁという、消極的な納得もあり・・・切ない。
次に印象深かったのは次々に命を落としていくボイルドの仲間達の姿です。やむを得ないとはいえ味方に引き金を引いた彼(notボイルド)とか犬さんとかのシーンは精神に毎ターン999のダメージを食らったかの様な衝撃でした(涙)。
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