王朝懶夢譚

2007年4月18日 読書
大臣の姫君・月冴は恋多き年頃を迎えた。小天狗の外道丸の手助けで仏眼寺の仁照阿闍梨に想いを打ち明け、狐の紫々に姿を映して東国男の晴季を誘惑し、愛の使者鮫児の力で弾正宮とかりそめの逢瀬、遂には悪名高き悪来丸にとらわれの身に…姫が最後に手にした真実の愛は?王朝を舞台に夢と冒険に誘う雅びやかな幻想世界。

田辺聖子さん原作の、NHKの朝の連ドラが好きだったのでなんとなく読んでみました。

久々に、本を読んでギャーギャーのた打ち回ってしまいました。60歳過ぎてこのような作品を書けるとは・・・きっとこの方、乙女検定1級、というか有段資格所持者に違いないでしょう。

平安朝を舞台にしたファンタジー色の強い恋愛モノなら少女向けライトノベルにもありそうですが、この作品では恋ゆえの空想や幻滅などなど、更に突っ込んだところまで書いてあります。それがちっとも説教臭くないあたりベテランの底力を感じます。

でも乙女度も抜群。

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