ダナーン半島は、神の城壁と呼ばれる巨大な断崖によって大陸から切り離された陸の孤島であった。その半島の住人たちは崖の上に広がっているであろう巨大な大陸を“神の国クリスタニア”と呼んでいた―。王都から遠く離れた辺境の村ハークに、ひとつの事件が巻き起こった。王城に侵入した賊を捕らえるべく、王都から騎士がやってきたのだ。冒険者になる夢を捨て、騎士になる決意をしたばかりの青年レイルズは、偶然にもその賊と出会い、戦うことになる。危機一髪。そのとき、突如、村を襲った大地震は、レイルズのみならず、彼の仲間である魔術師のサイア、精霊使いのビーンの運命までも、大きく揺れ動かすことになる…。RPG感覚あふれる冒険ファンタジー、ここに開幕。

ロードス島戦記を読んだのはいつのことだったかしら・・・結構好きでした。
とはいえ、この年になると、水野さんの作品はザ・正当ファンタジーって感じがして、読んでいて少し気恥ずかしくもあります。

さて、1巻は主人公のレイルズが、絶壁に閉ざされた神々の大地クリスタニアに足を踏み入れ、自分達とは異なった神や伝統を持つ人々っていうか、一人の少女と出会い、その世界の戦いに巻き込まれていきます。

読んでいて面白しろかったのは、自分はいずれは英雄になるんだと勝手に信じ込んでいる主人公が、あっけなく死にかけた上に、元いた世界で、王国の近衛騎士団長をやっている父親に助けを求めて何とかしてもらおうと真剣に考えてしまうほどの、坊やっぷりを発揮しているところです。
ラストでは本人が自分の甘さ加減に気づくところまで書かれているので問題はありませんし、そこから這い上がっていく様こそが見たいわけですよ。

無難に読めるライトノベルファンタジーですね。

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