アマデウス

2007年12月22日 映画
1825年、オーストリアのウィーンで、1人の老人が自殺を図った。彼の名はアントニオ・サリエリ。かつて宮廷にその名をはせた音楽家である。そのサリエリが、天才モーツァルトとの出会いと、恐るべき陰謀を告白する。「モーツァルトは殺されたのでは…」。19世紀のヨーロッパに流れたこのミステリアスな噂をもとにしたピーター・シェーファーの戯曲を、完ぺきに映画化。第57回アカデミー作品賞ほか、全8部門を受賞した。
ふんだんに流れる名曲群、舞台にはないミュージカル部分の追加、チェコのプラハでオールロケした美しい映像など、そのすばらしさは枚挙にいとまがない。監督は、チェコ出身の才人ミロス・フォアマン。2人の音楽家の精神的死闘は、見る者を極度に興奮させる。(

天才そのものよりも、天才を目の当たりにすることになる人物がどのような行動をとるかに興味を持つようになったのはこの映画の影響が強いです。

サリエリがどれほど求めても得られない才を持っているモーツァルト。彼は低俗で下品なばかりかサリエリの愛した女性を奪い、あっさり捨てる。
初めこそ評判となったが、徐々に宮廷から拒絶され、更に生来の浪費癖のために、体を壊していくモォーツァルト。
しかし彼の才能を理解できるのは、誰よりも彼を憎んでいるサリエリだけだった。
・・・まぁ、やってられませんわなぁ。

作中で印象に残るのは、モーツァルトの甲高い笑い声と、その声を「モーツァルトの姿を借りた神の嘲笑だ」と独白するサリエリの姿です。
そしてラストの「私は全ての凡人の頂点に立つ者だ」と言い切る年老いたサリエリに、哀れさと同時に滑稽さも感じてしまうのでした。

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